ルーヴルのMona Lisa消失事件

評価 :5/5。

Mona Lisa 消失事件 ― 世界を魅了したミステリー 😱

20世紀初頭、Mona Lisaはまだルーヴル美術館の「主役」とは言えない存在でした。そんな彼女が一躍世界的な名画となったきっかけ――それは、あるイタリア人作業員、ヴィンチェンツォ・ペルージャによる大胆な盗難事件でした。この前代未聞の出来事は長期にわたる捜査を引き起こし、世間の注目を集めながら、モナリザを「世界一有名な絵画」へと押し上げることになります。

Mona Lisa盗難事件のはじまり

1911年の夏、フランスは猛暑に見舞われていました。8月21日、早朝6時。29歳のイタリア人ガラス職人ヴィンチェンツォ・ペルージャは、パリ10区サン・ルイ病院通りにある質素な部屋を出発します。作業着をまとい、彼は自らが働くガラス会社「ゴビエール社」経由で、ルーヴル美術館へ向かいました。この日は月曜日で、美術館は休館日。一般客の姿はなく、職員や作業員だけが出入りしていました。

Mona Lisa盗難:ペルッジャの大胆な計画 👀

ペルージャは、祖国イタリアの誇り高き愛国者。イタリアの傑作がフランスの博物館に展示されていることに我慢がなりませんでした。そして、絵画を「祖国に取り戻す」ことを決意。彼が選んだのは、サイズが比較的小さく(縦77cm × 横53cm)、持ち運びやすいモナリザ。彼は壁から絵を外し、保護ガラスと額縁を取り外して、木製パネルを作業着の下に隠します。そして、そのまま堂々と美術館を後にし、自宅のスーツケースの二重底に絵を隠しました。

盗難発覚の瞬間

翌日、模写画家のルイ・ベローがモナリザのスケッチを描くためにルーヴルを訪れます。しかし、そこに絵はありません。警備員たちは最初、撮影か修復作業のために一時的に移動されたのだろうと深刻に受け止めませんでした。しかし、ベローが強く異議を唱えると、彼らもようやく事態の異常さに気づきます。

すぐに警視庁に連絡が入り、約60名の捜査官がルーヴルに出動。美術館は1週間閉館され、隅々まで捜索されました。モナリザの額縁とガラス板は、美術館内のヴィスコンティ中庭に通じる階段で発見されます。犯罪学者アルフォンス・ベルティヨンはガラスに残された指紋を採取しますが、当時の指紋照合技術は未発達で、ペルージャはあっさりと逃れてしまいました。

捜査と数々の誤報

事件は瞬く間に世間の関心を集め、新聞各紙は大きく取り上げました。懸賞金もかけられ、世界中の注目がルーヴルに集まります。空になったモナ・リザの展示場所には多くの人が足を運び、彼女の「不在」そのものが観光名所となるほどでした。

しかし、捜査は迷走します。自称犯人が続出し、詩人ギヨーム・アポリネールまで疑われる始末。あらぬ方向にばかり手がかりが向かい、本当の犯人にはなかなか辿りつけません。

隠されたモナ・リザ:パリからフィレンツェへ、ペルッジャの失敗

その間も、モナ・リザはペルージャのベッド下のスーツケースの中で、ひっそりと眠り続けていました。1913年、彼はフランスを離れフィレンツェへ。そして、現地の美術商アルフレード・ジェリに接触し、モナ・リザを売りたいと打ち明けます。ジェリは真贋確認のためウフィツィ美術館の館長に連絡。その結果――本物のモナ・リザであると判明します。通報を受けた警察は即座にペルージャを逮捕しました。

モナ・リザ、ルーヴルへ帰る

ペルージャには7か月の禁固刑が言い渡されましたが、その「愛国的動機」が評価され、イタリア国内ではむしろ英雄のように扱われました。モナ・リザは、帰国前にイタリア国内を巡回展示され、多くの人々の目に触れました。

そして1913年12月31日、ついにモナ・リザはルーヴル美術館へと凱旋。厳重な警備のもと、盛大に迎えられました。

その後、モナ・リザは国家的財産として最高レベルの保護を受けるようになります。第一次世界大戦中には、ボルドーやトゥールーズの秘密の場所へと避難。1918年にルーヴルへ戻り、現在は「国王の間(グランド・ギャラリー)」を経て、2005年からは「国家の間(サール・デ・ザタ)」に専用の展示壁とともに収められています。

現在、1日2万人以上が訪れるというモナ・リザ。彼女の微笑みが持つ神秘性はもちろんですが、1911年夏のあの「大失踪事件」こそが、彼女の名声を決定づけた出来事だったのです。

ルーヴル美術館は世界中から多くの観光客が訪れるため、特に週末や祝日には非常に混雑します。入場待ちの時間を短縮するために、オンライン予約をお勧めします。

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ℹ️ ルーヴル美術館 (Musée du Louvre)

住所: Rue de Rivoli, 75001 Paris
電話番号: +33 (0)1 40 20 51 51
ウェブサイト: Musée du Louvre
開館時間: 9時~18時 (水曜日は21時まで開館) ※季節やイベントにより変更となる場合があります。
休館日: 火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
最寄駅: メトロ1号線、7号線、14号線 Louvre – Rivoli駅

Louvre – ルーヴル美術館の地図 🗺️

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