凱旋門 (Arc de Triomphe)

パリの象徴的なランドマークの一つである 凱旋門(Arc de Triomphe)

凱旋門の歴史

凱旋門は1806年、ナポレオン1世がアウステルリッツの戦いでの勝利を記念して建設を命じたモニュメントです。

彼は、パリに戻ってきたフランス軍が「凱旋」するためのシンボルとして凱旋門をデザインしました。

しかし、ナポレオンの退位や様々な政治的な変化により、建設は遅れ、最終的に1836年に完成しました。

建設には約30年がかかり、建築家ジャン・シャルグラン(Jean Chalgrin)によって設計されました。高さ約50メートル、幅約45メートルの巨大なアーチは、その堂々たる姿で見る者を圧倒します。

凱旋門の表面には、ナポレオン時代の戦争や勝利を描いた彫刻が刻まれており、歴史的な価値を持つアート作品としても知られています。

凱旋門のデザインと彫刻

凱旋門の外壁には、フランスの歴史における重要な戦いと勝利を描いた彫刻が施されています。

特に注目すべきは、「出征(La Marseillaise)」と呼ばれる彫刻で、これはフランスの自由を象徴するマリアンヌが兵士たちを戦場へ送り出す姿を描いたものです。

この彫刻は、フランス国民の団結と誇りを表現しており、訪れる人々の目を引きます。

また、凱旋門の内側には、ナポレオン時代の軍人たちや戦闘での勝利が記された名前が刻まれています。

フランス革命やナポレオン戦争時代に功績を挙げた英雄たちの名前を読み上げることで、当時の栄光とその歴史的背景を感じ取ることができるでしょう。

無名戦士の墓

凱旋門の下には、無名戦士の墓があります。

これは、第一次世界大戦で命を落とした無名の兵士を追悼するための場所で、1921年に設置されました。

この墓は、フランスのみならず、全世界の戦争で犠牲になった人々への追悼の場でもあります。

墓の上には永遠の炎が灯されており、毎晩18時30分には火を灯す儀式が行われます。

この場所は、フランスにとって非常に重要な意味を持ち、平和と犠牲者への敬意を象徴しています。

観光情報:凱旋門へのアクセスと展望台

アクセス方法

凱旋門は、シャンゼリゼ通りの西端にあり、パリの中心部からアクセスが非常に便利です。最寄りのメトロ駅は、「Charles de Gaulle – Étoile」駅で、1号線、2号線、6号線が利用可能です。シャンゼリゼ通りを歩きながら観光を楽しむのもおすすめです。

なお、凱旋門の周囲は巨大なロータリー(Étoile広場)に囲まれており、車の往来が非常に激しいため、歩行者は地下通路を使ってアクセスする必要があります。地上から直接凱旋門に渡ることはできないので、地下道から安全に入りましょう。

展望台

凱旋門の最大の魅力の一つが、頂上にある展望台です。284段の螺旋階段を登り切ると、パリの壮大な景色を一望できる展望台に到達します。ここからは、シャンゼリゼ通りをはじめ、エッフェル塔やモンマルトルの丘など、パリの主要なランドマークを見渡すことができます。特に夕暮れ時や夜景は息を呑むほど美しく、訪れる価値があります。

営業時間と料金

凱旋門の営業時間は季節によって異なりますが、通常は午前10時から夜まで営業しています。最終入場は閉館の30分前です。凱旋門への入場料は、大人10〜13ユーロ程度で、学生割引や18歳未満の入場無料などの割引もあります。観光パス(パリ・ミュージアム・パス)を利用すれば、追加料金なしで入場することも可能です。

凱旋門のイベント

凱旋門では、フランスの祝日や特別な日に関連したイベントも開催されます。

特に、フランスの国民の祝日「7月14日(バスティーユ・デー)」には、凱旋門周辺でパレードや式典が行われ、国を挙げての祝賀ムードに包まれます。

また、年末にはシャンゼリゼ通りのイルミネーションが凱旋門まで続き、美しい夜景が広がります。

まとめ

凱旋門は、フランスの歴史と文化が凝縮された象徴的な建造物であり、パリ観光の際には必ず訪れたいスポットの一つです。

壮大な建築や彫刻、歴史的な背景、そしてパリの絶景を楽しめる展望台など、見どころが満載です。

訪れる際は、凱旋門の歴史をしっかりと学びながら、その魅力を存分に堪能してください。

関連な投稿